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2019/02/21

三鑰 彩音 個展 -Jamais vu-ごあいさつ

三鑰 彩音 個展 -Jamais vu-

 

Jamais vu】− 未視感

「見慣れているはずの光景や物事が、まるで未体験の事柄であるかのように感じられること。(weblio辞書より)」

 

 いつか何かのパッケージや表紙、CDジャケットなどでコラボレーションしてみたいと思っていました。

とはいえ、特にそんな伝はないですし、どっかで誰かが見ていてくれて、そんな声をかけてもらえたらいいなぁという“夢のひとつ”くらいのもので、それよりも足踏み気味の日々に焦りを覚えているときでした。

 それは本当に突然に、今回の西武渋谷店での全館プロモーションというお話を頂きました。

 作品を作るのに時間を要する私にとっては正直時間が足りなすぎる…と思いましたが、「これはやらないわけがない!」というご依頼です。何故かって、言ってしまえばパッケージどころか百貨店とコラボレーションじゃないですか。正直なところ、不安は溢れんばかりにあるけれども、とても前向きにお引き受けしました。

 それからはこの個展をおこなうにあたり、毎日どのような展示にしたいかを随分と考えました。

 

 そして、たどり着いたのがこの個展名【Jamais vu】です。

 

 【Jamais vu】とはフランス語で、日本語では未視感と言います。

聞きなれない単語かもしれませんが、【Deja vu】すなわち既視感は聞き覚えがあるのではないでしょうか。

簡単に言うと体験したことないのに、体験したことある感覚になることです。

Jamais vu】は【Deja vu】の対義語で上記の通り「見慣れているはずの光景や物事が、まるで未体験の事柄であるかのように感じられること。(weblio辞書より)」です。

私の作品を展示することで、いつも来るこの西武渋谷店が初めて見たり、訪れたような感覚になってくださったらいいなと思い、このタイトルにしました。

 今回のメイン作品となっている「栖Ⅱ」ですが、これは三重にある“なばなの里”のベゴニアガーデンをモチーフにしています。

実はこの場所を知ったのは20174月末。友人のSNSの投稿で知りました。

それを見た瞬間「これだ!これを描かなきゃ!」と胸を打たれ、絶対に現地へ行くしかないと思い、ちょうど控えていた

GW休みに夜行バスに乗って取材へ行きました。

今考えると、驚くほどのフットワークの軽さでしたが、思い返してみるとわりと昔から行かなきゃ!と思ったら即行動する方だったように思います。翌年もう一度取材へ行き、ドローイングを重ね、今回の作品に仕上がるまで、まる2年かかりました。

 しかし、このモチーフに取り掛かっていることは殆ど公にはしていませんでしたし、どちらかというと人物を描いている印象が強かったのではないかと思います。

それにも関わらず、このお話を頂いたときに言われたのは「花をモチーフに」ということでした。

 タイミングとは凄いもので、そのことで「足踏みしてモタモタしている場合じゃない!」「これはやるしかない!」とエンジンがかかり、とうとう手の中であたためていたベゴニアの作品に取り掛かれたのです。

 

 学生の頃は大学内のみ、大学院へ入ってから外で発表することが増え、それでもやはり「美術に関心のある人々」という枠組みの中でしか見て頂けなかったと思いますが、今回多くの人が自然と目に触れるこのような場所で、作品をお見せできるのは私にとって、とても嬉しいことです。

この展示で日本画の認識が拡がり、もっと身近に美術作品を楽しんで頂ければ幸いでございます。

 

 最後に、今回の展示に起用してくださった西武渋谷店様、並びにショーウインドやB館1階プロモーションスペースをデザインをしてくださった株式会社 ケー・ディー様、その他スタッフの皆様、いつも応援してくださる家族や友人、先生方、美術関係者さまに心より感謝申し上げます。

 

2019年2月 吉日

三鑰 彩音